世代別にみる仕事の価値とは
21世紀に突入し、多様な価値や以前にはなかった働き方をする人など新しいライフスタイルが多くなりました。オフィスの環境も大きく変わり、残業するのが当たり前という時代から仕事は常にシンプルを求め、ムダなく働こうという考えが定着しつつあります。
日本では大きく4つの世代にわけられます。時代の流れによる人々の価値観をみていきましょう。
団塊世代
高度経済成長以前、戦後何もない時代から新たな日本を作りだした1947年~1949年生まれの「団塊世代」。ベビーブームや高度経済成長からバブル経済などの日本の経済情勢を幅広く知る世代といえます。
バブル世代
時代が進み、1965~1969年に生まれたバブル世代。大量生産や大量消費を経験している世代です。この頃に生まれた人は働き始める時期にバブルのはじまりからバブル崩壊後まで、日本景気の影響を受けて人生が大きく左右される世代といえます。残業を当たり前と考え、働いて収入を得ることが人生の豊かさだとする声もある世代です。
氷河期世代・ロスジェネ世代
1971年から1984年生まれの氷河期世代はバブル崩壊から10年間の日本の大不況を経験しています。バブル崩壊は1990年代からです。厳しい不況が続き、正規雇用が難しい時代です。生活することが困難な時代に生まれたこの世代は危機管理能力の強い傾向があります。
さとり世代
そして、現在の1987年~2004年のさとり世代です。日本の景気が回復したことやインフラ整備も安定したことにより落ち着きを取り戻した日本。この頃から欲しいものが手に入りやすくなったと同時に従来の詰め込み教育からムリなく学習し生きる力の人材育成を受けてきた人々を指します。
不自由なく生活するのが当たり前と考えており、お金を好むことはあまりありません。満足できない職場はすぐに辞めてしまいがちに。それよりも自分の人生が何のためにあるのか、豊かに生きるには何が必要かを模索し続ける世代です。
さとり世代の特徴6つ
さとり世代は、ほかの世代とは違った特徴がいくつもあります。また、日本の成長を支えてきたバブル世代や氷河期世代からみると、多少ものたりなさを感じるかもしれません。ですが、このスタイルこそさとり世代の特徴であり、今の日本の生き方が反映されているといっても過言ではありません。
欲がない
「さとりを開いているようだ」と名付けられたさとり世代の理由ともいえる特徴に、物欲の少ない点が挙げられます。子どもの頃から多くのことは経験でき、欲しいものはすぐに入手できる環境で育っています。このような環境下で過ごした結果、さとり世代はだんだんと物欲も減り、高価なブランドバッグや高級品を求める人も少ない傾向にあります。
必要なものが最低限あれば、それ以上は求めないという人もいます。
お金にあまり執着しない
自分が満足できる必要最低限の生活用品があれば、高価な商品を欲しがらないという物欲のなさも影響して、お金に興味を示さないのもさとり世代ならではの特徴です。
お金のためにキツイ・ツラい仕事をするのなら、少量の金額でも平穏で落ち着いた自分を保ちながら働きたいと考えています。
情報収集力が高い
さとり世代では、IT技術が大きく進歩した時期。今ではPCのほかにスマートフォンを利用して手軽に情報を入手できます。IT機器に触れることが多いため、情報収集力は子どもの頃から養われており、情報を集める能力が高い特徴をもちます。
またSNSや動画配信などのサービスが登場したことにより、SNSを利用して連絡をとったり休日はアニメや映画を鑑賞したりして楽しむ人は多いのです。そのため、自然に外出しようと考える人は少ない点があります。
やりがいは自分のなかにある
さとり世代では報酬が高くても、自分がやりたくない仕事は興味を示しません。逆にやりがいのある仕事と思った場合は強い関心を示します。自分のなかに働き方の価値観をもっており、合理的に物事を考えています。
モチベーションが上がる仕事は、パフォーマンスも出しやすいですよね。たとえば、モノづくりのような没頭できる職場環境が充実した自分を作り、仕事もプライベートも満足できるという考えにいたります。
恋愛や人間関係が苦手
合理的に判断するさとり世代は現実でのコミュニケーションを得意としません。コミュニケーションは論理的に正しくても現実がそのように進むとは限りませんし、トラブルが起きると解決まで労力を必要とします。恋愛がイメージすると理解しやすいかと思います。さとり世代は感情という不安定な要素に向き合おうとする人はあまりいないのです。
このため、人間関係も最小限にとどめ、たくさんのコミュニケーションを避けてしまうことの多い世代といえます。
常に余裕を求める
さとり世代は生活の質を求めます。自分が何をしたら楽しく過ごせるのか、どのように働けば人生が豊かになるかなどです。このため、生活や仕事で自分に精神的・肉体的負担を強いることは望みません。
常に冷静な判断ができるよう「安定した自分」を求めます。精神的・肉体的に余裕をもとうとする傾向が強いのです。おっとりした性格と思われることもしばしばあります。それがさとり世代の特徴なのです。
企業が若者を育成するにあたって
さとり世代と一緒に働いていると、「なかなか部下がいう通りに動いてくれない」「すぐに答えを求めないでほしい」という声があります。
世代間の働く価値が違うのですから仕方ありません。しかし、さとり世代は時代を反映した価値観をもつ人材です。時代が変わるように人の価値観も変化します。人材を育成する場合は、さとり世代のもつ特徴を理解したうえでのコミュニケーションが求められます。
順序を踏んで重要な仕事を任せる
さとり世代には、はじめから責任感のともなう仕事を任せるよりは、簡単な業務を任せることからはじめましょう。さとり世代は、キャパシティオーバーだと思った仕事は、全力で向き合うことをなかなかしないからです。
そこで、少しずつ仕事で達成感を与えるようにしながら徐々に責任感をもってもらうよう育成しましょう。さらに達成感の積み重ねは自信をもつと同時にモチベーションの向上にもなります。
論理的なアドバイスを意識する
「気合いがたりない」「消極的な姿勢だからダメなんだ」仕事で成果を出してもらうために精神論をベースに話すのは逆効果です。やる気について語れば語るほどなにが原因だったのか、今後なにをすべきかなどの改善点から遠ざかります。「気合いでなんとかするんだ!」などの精神論をもちだすのではなく、論理的に話しながら納得してもらうほうが、さとり世代に効果的な育成方法です。
お互いの世代が違うのですから、一方的な押しつけはさとり世代に通用しません。まずは相手が何を考えているのか、その方向性を理解して、修正部分に納得できる理由を踏まえたうえでアドバイスしてあげることが肝心です。また、じっくりと話に向き合うことで信頼関係を築けます。
働きやすいオフィスの環境を作る
働き方改革がどんどん進み、残業を減らし生活にゆとりをもたせようという施策が次々と打ち出されています。その一歩として、オフィスを働きやすい環境へと変化させる必要があります。
たとえば、フレックスタイム制を導入し、働く時間を制限しないことやリモートワークを導入して自宅作業してもらう方法があります。ほかにも、従業員同士のコミュニケーションの場を増やしたり休憩しやすい環境を整えたりするなどもよいでしょう。今の世代が、次の世代に働き方を教える世代です。そのためにもオフィスの環境は、人材育成のしやすい柔軟性の高い環境を作っていかなければなりません。
オフィスの機能性を充実させることも1つの手段ではありますが、経費を消費しなくても働きやすいオフィス作りは可能です。どの点が働きにくいのか、職場全体の雰囲気はよいかなど、心に余裕をもてる環境を作りましょう。